大切な人に贈る大切なプレゼントだから、心を込めて贈る人の「ときめき」を伝えるお手伝いをします。

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「心に残るプレゼント」
2023年度受賞作品紹介


あなたの「心に残る」プレゼントはなんですか?
株式会社ハピネス・アンド・ディでは、今年もプレゼントにまつわるストーリーを募集いたしました。
第4回となった今回もみなさまからたくさんのご応募をいただき、数々の心温まるエピソードが集まりました。
その中からよりすぐりの「心に残るプレゼント」ストーリーをご紹介します。

ジュエリー賞

ペンネーム:すずらんさん

−祖母から譲られたお守り−


私の祖母は孫の私に甘い人でした。
私が何気なく「いいなあ」と言った物をすぐに買い与えるので、私の両親が祖母に甘やかしすぎと怒ることも日常茶飯事でした。

そんなあるとき、私は祖母のドレッサーを眺めていました。
そこに大切に仕舞われた小さな指輪に一目ぼれしたのです。
これまでたくさんの物をもらった私でしたが、実は一度も自分から物をねだったことはなく、この時初めて、祖母に「これが欲しい」とおねだりをしました。
しかし祖母は「ごめんね。これは渡せないの」と断ったのです。
私は愕然としました。

おしゃれな祖母はたくさんのアクセサリーを持っていました。
ドレッサーには小ぶりなその指輪よりも派手で高価そうな物もありました。
そのため、正直なところ、優しい祖母ならば自分に譲ってくれるだろうと期待していたのです。
そこで断った理由を尋ねると、「この指輪は亡くなった祖父からの初めての贈り物だから」だと祖母は答えました。

祖母は、祖父と喧嘩をする度にこの指輪を見て初心に返っていたそうです。
いわば、祖母にとっては恋愛のお守りのような物だったのです。

いつまでも指輪を羨ましがっていると、いつか私にも大切な人ができたら、そのときに譲ってあげるね、と祖母は言いました。

それきり、私はこの指輪のことを忘れていました。

そして先日、私は恋人を祖母に紹介する機会がありました。

思い出話に花を咲かせるうちに時間が過ぎ、あっという間に私たちは帰る時間になりました。
帰り際、祖母は私を手招きして何かを渡してきました。
それはなんと、祖母が大切にしていた指輪だったのです。
びっくりしてどうして譲ってくれるのかと聞くと、私が恋人と末永く幸せに暮らしていけるように祈っているからだと言いました。
そのとき、祖母の愛情にじんわりと胸が温まるような気持ちになりました。

それ以来、彼と喧嘩をしても、この指輪を見て冷静になるようにしています。
とても仲のいい夫婦だった祖父母のような関係になれることを祈りながら、今日もこの指輪をお守りにしています。





ジュエリー賞

ペンネーム:森山博晶さん

−耳元で静かに輝く−


私は小学校に入る前から自分の名前を漢字で書くことできたので、「すごいね」と褒められることも多かった。
だから、それまでは私は自分の名前が大好きだった。
漢字二文字で、どちらも小学校1年生で習う、簡単な漢字。

私は雪が降るクリスマス夜に、山形で生まれた。
退院の朝、私を包む厚手のおくるみの上に静かに降ってきた、5mmくらいの雪の結晶。
それが綺麗だったからという理由で、父は、私の名前を「六花」と決めたそうだ。

だけど、小学校に入ってから徐々に、私は自分の名前が好きではなくなった。
初対面の子から、私の名前を父が付けた通りに読んで貰えたためしがなかったからだ。
「六花」と書いて「ゆき」と読ませるのだから、無理もない。

そして、中学に入学すると、初対面のクラスメートの前で自己紹介をしなければならなかった。
教室の後ろの方から、キラキラネームという囁きが聞こえてきて、私は、尚更自分の名前が嫌いなった。
より正確には、この名前を付けた父のことが嫌いになっていった。

その頃から、私は父と衝突することが多くなっていった。
部活のこと、スマホのこと。
そして、高校に入ってもその状況は変わらなかった。
アルバイト、勉強時間、マニキュア、ピアス、進学先…。
今思えば、単に父に逆らいたかっただけの、単なる反抗期。

そして、私は父が反対する横浜の大学に進学して、家を出た。
ほとんど父との会話もない状態は、大学2年生のお盆まで続いた。

雪深い私の地元では、成人式はお盆に済ませる。
振袖を着ない替わりに、私は長く使えるようなドレスをお祝いとして買ってもらった。
それでも、一応、父にもこれまで育ててくれたお礼だけは言おうと思い、父の書斎を開けた。

父は静かに、机の引き出しから小さな箱を取り出した。
「おめでとう、長く使えると思って。」
そう言って私に渡してくれたのは、6本の爪で固定されたダイヤのピアスだった。
「20年前に、六花のおくるみに降ってきたのも、これ位の大きさだった。」
そう言って父は優しく微笑んだ。

仕事を始めてから、初対面の人と会う時には、私はあのピアスを着けることにしている。
そして、私の名前に触れてくれた人には、必ず答えている。
「父が付けてくれたんです」と。



オールジャンル賞

ペンネーム:じゅんさん

−優しさと笑顔−


母親の誕生日に初めてプレゼントを贈ったのは19歳の時。
実家を出て、1人暮らしを始めて半年ほど経っていた。

当時付き合っていた彼女にプレゼントを贈るように強く勧められ、徹底抗戦で拒否していたら大ケンカに発展してしまい、結局こっちが折れてプレゼントを贈ることになった。

何を贈るのかを彼女も一緒に考え、一緒に買い物に行くことを条件にプレゼントを贈ることになったのだが、彼女に聞いても「なんでも大丈夫だよ」しか言わないので、再びケンカになりそうな空気になりがらも一緒にいくつかのお店を回った。

プレゼントはハンカチになった。
デパートに行って母と同い年ぐらいの店員さんに聞いたら勧められたからだ。
ハンカチという提案に彼女も乗ってくれて、バラがワンポイント添えられている柄は彼女が決めてくれた。

彼女には手紙も添えるべきだと言われたが、さすがにそれは勘弁してくれと半べそをかきながら断ったら許してくれ、ただし当日に「おめでとう」というメールを送る約束は取り付けられた。
母親の誕生日当日にプレゼントが届くように日時指定をして僕たちはデパートを出た。
店員さんからプレゼントを贈るという行為を何度も褒められたが、恥ずかしく上手く受け答えはできていなかったと思う。

そして迎えた母親の誕生日当日。
彼女の前でおめでとう!というメールを母親に送らされ、僕は学校へと向かった。
ムズムズした気持ちで授業を受け、まったく頭に内容は入ってこなかった授業が終わり、1人暮らしの家に着くと、母親から電話が掛かってきた。
絶対に誕生日プレゼントのことだと思い、出るか迷ったが、結局掛け直すことになると思い、電話に出た。
機嫌が良い時の母親の声が電話からは聞こえてきた。

『ありがとう。いまプレゼント届いたよ。
ビックリした。
おめでとう!って朝メールが着た時、何のことかと思ったけど、この事だったんだね。
今日はお父さんと結婚して30周年。
私も忘れてたよ。お父さんも天国で驚いてると思うよ。
ホントにありがとう!』

母親の誕生日を1カ月間違えていたことに気付いたのこの時だった。



オールジャンル賞

ペンネーム:結城刹那さん

−制限の中にある愛−


結婚一年目の誕生日。妻から貰ったプレゼントは『財布』だった。
お札が綺麗に収まりそうな長財布。
牛本革を素材とし、色は黄色に塗られていた。
貰った時、僕が最初に抱いた気持ちは『落胆』だった。
僕は根っからのデジタル好きで、現金もカードも全てスマホのアプリに取り込んでいた。
だから、財布は必要ない。
それは妻も分かっているはずだと思っていた。
なのにどうして財布をプレゼントしてくれたのか。
僕は感謝を伝える前に、思わず彼女に聞いてしまった。

「もちろん知っているわよ。
だからこそ財布を選んだの。
これに二人でお金を貯めて、遊びに行く時はここから出すようにしようと思って。
そしたら娯楽はアナログ、家計はデジタルで分けられるじゃない。
それにイエロー、牛本革、長財布は金運をアップしてくれるのよ。
金運アップの要素が三つもあるのだから、裕福になること間違いなしよ」

妻の考えを聞いて納得がいった。
デジタルに変えたとはいえ、現金が発生するタイミングは未だにある。
それを長財布に貯金することで二人の思い出づくりの費用にするのはいいアイデアだと思った。

それから僕たちの貯金生活が始まった。
『物を売った時』
『友人と割り勘した時』
『毎年恒例イベントである年末ジャンボが当選した時』
などで発生した現金を財布へと貯金する。
僕は月一で貰えるお小遣い三万円から三千円取り出し、財布に貯金するようにもした。
また、財布の金額が一定額貯まったところで、予算を決めて旅行の計画を立てたりした。
二人で意見を出し合って計画する旅行は、普通に旅行をするよりも楽しく、二人の愛を深めることができた。
予算という制限があるからこそ、二人で協力して旅行を楽しくしようと盛り上がることができたのである。

制限の中に『愛』は存在する。
妻が言っていた裕福は『お金』のことではなかったのではないかと今は思う。
妻から貰ったプレゼントには、しっかりと愛が込められていた。
今度は息子を交えた三人で、この財布に貯金をし、愛を育んでいこうと僕は思った。